バッドエンド確定ルート。
どう足掻いても、絶望。
…ええまあ。
ぶっちゃけて一周前のバッドエンドの時の話だよとは発表されてましたし、楽しく愉快な話でもないと言われてはいましたし、タイトルからして想像も余裕ではあったんですが…、
主人公伝改め黒騎士伝です。六周年記念…かどうかはさておいて、同時実装となりました。
正直これは狡いやろ…と言う、バッドエンドルート確定からバッドエンドを迎えるまでの流れを、ストーリーとしての密度は無く、ダイジェスト的に紹介して行きつつ…と言うお話。
最初から悲劇しか無いのが解っているので、そりゃ何処を切り取っても泣けるわ!としか言い様の無い、正しくどう足掻いても絶望と言う感想しか出ないやつでした。
……と言う訳で、この絶望感が読了後の胃に重たくのし掛かっているのを何とかしたいので、久々にストーリー感想と言うかネタバレと言うか何か刻んでおこうかと…。
*
まず超評価点なんですが、邪魔な伝承篇紐付けの期間限定ミッションやメダルハントはありません。
完全にプレイヤーの好きなタイミングで読んで良いやつです。
今までの伝承篇ならいざ知らず、この話の内容でそう言った要素をぶち込んで来たら正直呆れ果てる所でしたが、そこは空気をしっかりと把握してくれていた様です…。
但し戦闘の難易度は馬鹿かってくらいクッソ高いゴリ押し感があるので、舐めプしてたら直ぐ全滅していると言う、話の内容に沿った絶望感を容赦無く突きつけて来ます。復活の実うめえ。
・王都決戦、敗北
ヘクセイタス(アニメ)で敗北ルートは一応既に見ていたので、義勇軍敗走に因る他勢力の撤退までは流れ通りと言った感じで。
…とは言えこの時点で既に、ユリアナ伝で見たばかりの王都や聖王戦がどうだったのかと言う想像まで巡らせられて、この流れ狡いわー…となる事請け合い。
カインたちは回収出来た、と発言があっても、主人公やフィーナやピリカがどうなったのかは最終盤まで解らずにやきもきさせられました…。
・副都
勝手に入って来て勝手にぼやいて出て行くラザフォード。シルヴァ伝の流れから来てる筈なのにほんとこの人わかんねぇな…。
シルヴァ、ロレッタ、アルドラ、ヴォルグらは副都で防衛。嫁と娘は逃がしたと言うシルヴァの台詞から、まだ戦って何とかなりはしないかと思っているのが窺えますね…。
ギルバートはシルヴァに介錯されるまでもなく黒の因子に飲み込まれます。
ラザフォードは少しでも多く黒を滅ぼす事にして、アンジェリカやヴィドックもそれに付き従います。
・迷宮山脈
……ん?何かあった?ってレベルに何も無かったですねえ…。
火妖精キャラはかなり優遇して出して貰っていたイメージでしたが、特にその後のエピソードは無し。
こんな所まで不遇所属の煽りを喰らわないでも良いのに…。
・賢者の塔
個人的には全部含めて今回一番の衝撃でした。
まあ学生伝の後だもんで、既に厭な予感はしてたと思われます。ファティマの「終わり」を断じる諦めの良さにも、ああこれには救いはないんだな、と、解っていても精神的に来ます結構。
刻印者たちは変調したマナに因って暴走。フェブリアを止めようとしたユニは彼女共々(多分)氷漬けに。ヴェルナーは理性を失って暴れる事に。
「処分」にやって来るメルティオールが何だか有情で驚きました。まあメルティ的にはカティアやクラウスが「処分」に失敗しても、その後の結果は変わらない、今屍が出来るか最期に悔いを憶えるかどうか程度の違いしか無いからと任せて行ったと言う所なんでしょうけど…。
親友を殺め、それでも師団長として呆けている訳にはいかないカティアの思いが辛い…。
そして最大の衝撃、賢者の塔のまさかの自決システム。賢者やその研究、強大な魔法使いたちが黒に染まって更なる悲劇を撒き散らしたり、人々が恐怖や絶望を感じるより先に、一瞬で何の理解も無い内に速やかな死をと言う実に恐ろしい魔法が仕掛けられていたとは…。
でもメルティの最期「次の僕はもっと強いぞ」と言う棄て台詞は何だか安心感ありました…。
・湖都
ラヒームおじいちゃんに敬礼…。ムスタファも迷わず娘の元に在る事を選ぶ辺り、決する未来が見えてるんだろうなと…。マディーナの明るさだけが通常営業。
抗い、戦って果てる女王の姿と、腕を持っていかれ瀕死ながらも共にそれに殉じようとするカリファや砂漠の民たち。
登場は無かったけど、歌と舞踊組も最期まで皆を鼓舞し続け勇気を与え続けたのだと思います。
・九領
なんかもう予想通り。筆頭は黒の因子に染まり、ヨシツグと楽しく相討ち。個人的にはおちゃらけキャラだった筈のイブキが斬られ斃れたのがしんどかったです…。
幼いアマツの、「なんであいつら戦ってるんだろう」と言う疑問が凄い刺さる…。鬼は鬼として世界の終わる時まで変わらないんだなあと言うか。
そんな戦模様に関わらず、今日の飯の話とかしている辺りが超リアルです…。鎖国中の領地に住む半端者の孤児たちには、鬼の大いくさも、世界の終焉も全く関係無いんだなあって…。
・精霊島
千河がラファーガしか出なかったのが不満…。あの戦闘種族の事ですし、最期まで笑いながら、軽口を叩き合いながら戦ったのだと思いますが…。
ユグドはこの大陸の最期と世界の終わりとを見つめる担当。
避難して来た幼い者らをあやすパロマやポテンシアの歌やおとぎ話の中、炎上する世界樹。
・大海
黒の軍勢よりも海そのものが彼らを飲み込んだのでしょう。後のケ者や年代記でも海が酷い事になっているとは語られていましたので、もう世界の環境が全て敵の様な、正に世界の終わり状態なんだろうと。
・ケ者
絶望するガジジナが、ああそう言えばこの長ヘタレだったんだ…と思い出させてくれて良い感じ。彼女を最期まで護ろうとするギザザヤが男前過ぎるんです…。
カミの力の援護さえあれば、と最期まで戦い続ける脳筋種族。キララネは一足先に斃れたのだろうと言う描写や、トリリカの暢気とも取れる癒し描写とか、地味にざくざく来ます…。
・罪
ある意味一番終焉らしかった…。ほんとローゼマリーは一般ピープル代表と言っても良い、弱い人間の目線に居る分、ダイレクトに読んでるプレイヤーを刺しに来てると思う…。
恐らく、レオンとゾーイやヴァリーは非戦闘員のリーアとローゼマリーを逃がす役割を負って、最期には一矢報いる様な行動を取ったのでしょう。
いつも騒がしい監獄が静かになり、穏やかな風や波の音を聞きながら(まだ海が荒れる前の筈)話す二人。
逃げるも死ぬも出来ないから、後はただ待つだけしかないと、終焉の日にしては酷く穏やか。
・薄命
…ある意味本編より救われてる気がするよエル…。
アルの傍で共に互いの存在に感謝し合いながら終焉を迎える二人。元々薄命は短い人生に諦めや折り合いをつけている子らだから、迫る滅びにも余り動じなかった気がしないでもない。
・鉄煙
naketa…。描かれなかったストーリー部分を想像したらうわあああ…(語彙消滅)。
エーリヒに腕を託して斃れ往くランドルフ、民を護ろうと最期まで抵抗するオリヴィアたちもうわあああ…。
ハンネスがエーリヒ一人をして、ちゃんと「二人」って言い続けてるのがしんどいどころの騒ぎじゃない…。
わたくしだけでは迷子になって仕舞いますから、と言うジークルーンも…。
何だろうな、石田さん繋がりじゃないけど、gntmでヅラの人も言ってたましたが、最期まで心許せる者の傍で共に戦いたい、共に死にたい、と言うのをここまでの皆が自然と体現してるんですよね…。
・年代記
黒の勢力が強すぎて戻って来れないセレン。
多分にライターさんが、リヴェラが斃れるシーンは書きたくなかったのだと思うんですが、その所為で死ぬ死ぬ詐欺みたいな感じと言うか、この人ら世界の終焉を迎えてもぴんぴんしてそうだなあ…と連続した緊張感を削がれました…。
・聖王国
今回一番の衝撃…ではなく、一番弱い所に来たやつ…。
剣聖に任じられたアインスロットが、聖王の血脈であり主君であるユリアナをその手にかける様、彼女自身に命を受けると言う衝撃の展開です…。
黒の軍勢に滅ぼされる訳では無く自ら決すると言う、一見無駄な、然し常に滅びに向かってループする世界への余りにささやかな抵抗。
共に往く事を望んだルイーゼは、アインスロットを苦悩させるだけだからと、きっと己の想いを飲み込んだのでしょう。(ルイーゼ自身がアインスロットへの想いをはっきりと認識していたと言う描写はひょっとして初めてなのでは…)
ここまでで既にもう、自決展開やめて…胃が痛い…と言う所なんですが、更にとどめを刺しに来たのが、最後の役目を終えた後のアインスロットとテレサの遣り取り。
正直テレサは全然好きになれんキャラでしたが、リリスを殺めた事については流石に衝撃。
リリスの優しさに甘えたとテレサは言っているので、多分にリリスも解っていて殺されたのだと思うんですが、あれだけ日頃からリリスへの愛情表現の尽きないテレサが、「黒の軍勢にくれてやる訳にはいかない」と彼女の命を自ら奪うとは…。(恐怖や苦痛を与えたくなかったのだと思うんだけど)
ともあれテレサもアインスロットも、最早愛する者を喪った世界で、後は自分が死んで決するその時までひたすら黒の軍勢を斬って斬って斬りまくって征こうと、破滅的で全く楽になるには程遠い途を選びます。
・義勇軍
フィーナはあの後皆を逃がす為の盾となって斃れ、それがユーリの最期の絶望となります。
カイン、ミシディア、マリナがどうなったのかは語られないのでそこはちょっとすっきりしないです…。逃がされた副都付近で討ち死にとかそう言う感じなのかも知れませんが、彼らの死すら見届けない侭にユーリは絶望して仕舞ったのか、義勇軍はあっさりバラバラになって仕舞ったのか、と。
ともあれ黒の王を滅ぼした黒騎士ユーリは、その周回時のクロニクルを手にループを越えて、『次』のユーリの前へと立ち塞がる訳です。
ユーリは黒の根源にとっても、取るに足らない筈がループの度に立ちはだかる因果の存在の筈。そんな彼だからこそ黒に堕ちた事で、今後のループの滅びをより強固にすると判断されたんでしょうかね…?
それにしても、黒騎士の新しい絵と今までの絵の落差がありすぎなのがなんともアレだとずっと思ってる…。
・エピローグ
義勇軍は困っている人の味方だ。
・まとめ
死を、終わりを彼らはどう迎えるのか、と言う事に尽きる物語。
ある者は仲間と共に死地へ赴き、ある者らは自決し『次』に託し、ある者は親しき者と共に在り、ある者はただ穏やかに最期を迎え、ある者は戦いに果てた。
そんな彼らの勝利の「先」が今もなお紡がれる物語。こうして幾度も果てて来た彼らの、世界の、新たな可能性たち。
そう思うと今の三部の、「滅びるのが正しいんだから今からでも滅んで貰うわ」と言う敵が、なんて言うか酷い外道で邪魔者で錯誤者でと、ものっそいヘイト溜まりますね。
一つ(?)残念だと心底思えたのは、「次」に繋がる要素が、折角三部にも関わっている事なのに、一切描写無しで終わって仕舞っている点。
聖人シュレーミアがはじまりのクロニクルの管理者であるトロメアを導く所とか、三部で絶賛ヘイト溜めてる狂った聖人たちが使命をこなしている所とか、多少は描写しても良かったと思うんですけどねえ…?
まあ黒騎士ユーリの物語なので関係ないっちゃあ無い要素ではありますが…。
*
戦闘がほんとゴリ押し良い所の難易度なのが難点ですが、復活実むさぼり食っても読むと良いよ…。
親愛度目的もあってガチPTマイナス2ぐらいの面子でプレイしていたんですが、メルティオールとコットン&デルフィーナが強いのと癒しなのとで大分救いになってました…。
…ええまあ。
ぶっちゃけて一周前のバッドエンドの時の話だよとは発表されてましたし、楽しく愉快な話でもないと言われてはいましたし、タイトルからして想像も余裕ではあったんですが…、
主人公伝改め黒騎士伝です。六周年記念…かどうかはさておいて、同時実装となりました。
正直これは狡いやろ…と言う、バッドエンドルート確定からバッドエンドを迎えるまでの流れを、ストーリーとしての密度は無く、ダイジェスト的に紹介して行きつつ…と言うお話。
最初から悲劇しか無いのが解っているので、そりゃ何処を切り取っても泣けるわ!としか言い様の無い、正しくどう足掻いても絶望と言う感想しか出ないやつでした。
……と言う訳で、この絶望感が読了後の胃に重たくのし掛かっているのを何とかしたいので、久々にストーリー感想と言うかネタバレと言うか何か刻んでおこうかと…。
*
まず超評価点なんですが、邪魔な伝承篇紐付けの期間限定ミッションやメダルハントはありません。
完全にプレイヤーの好きなタイミングで読んで良いやつです。
今までの伝承篇ならいざ知らず、この話の内容でそう言った要素をぶち込んで来たら正直呆れ果てる所でしたが、そこは空気をしっかりと把握してくれていた様です…。
但し戦闘の難易度は馬鹿かってくらいクッソ高いゴリ押し感があるので、舐めプしてたら直ぐ全滅していると言う、話の内容に沿った絶望感を容赦無く突きつけて来ます。復活の実うめえ。
・王都決戦、敗北
ヘクセイタス(アニメ)で敗北ルートは一応既に見ていたので、義勇軍敗走に因る他勢力の撤退までは流れ通りと言った感じで。
…とは言えこの時点で既に、ユリアナ伝で見たばかりの王都や聖王戦がどうだったのかと言う想像まで巡らせられて、この流れ狡いわー…となる事請け合い。
カインたちは回収出来た、と発言があっても、主人公やフィーナやピリカがどうなったのかは最終盤まで解らずにやきもきさせられました…。
・副都
勝手に入って来て勝手にぼやいて出て行くラザフォード。シルヴァ伝の流れから来てる筈なのにほんとこの人わかんねぇな…。
シルヴァ、ロレッタ、アルドラ、ヴォルグらは副都で防衛。嫁と娘は逃がしたと言うシルヴァの台詞から、まだ戦って何とかなりはしないかと思っているのが窺えますね…。
ギルバートはシルヴァに介錯されるまでもなく黒の因子に飲み込まれます。
ラザフォードは少しでも多く黒を滅ぼす事にして、アンジェリカやヴィドックもそれに付き従います。
・迷宮山脈
……ん?何かあった?ってレベルに何も無かったですねえ…。
火妖精キャラはかなり優遇して出して貰っていたイメージでしたが、特にその後のエピソードは無し。
こんな所まで不遇所属の煽りを喰らわないでも良いのに…。
・賢者の塔
個人的には全部含めて今回一番の衝撃でした。
まあ学生伝の後だもんで、既に厭な予感はしてたと思われます。ファティマの「終わり」を断じる諦めの良さにも、ああこれには救いはないんだな、と、解っていても精神的に来ます結構。
刻印者たちは変調したマナに因って暴走。フェブリアを止めようとしたユニは彼女共々(多分)氷漬けに。ヴェルナーは理性を失って暴れる事に。
「処分」にやって来るメルティオールが何だか有情で驚きました。まあメルティ的にはカティアやクラウスが「処分」に失敗しても、その後の結果は変わらない、今屍が出来るか最期に悔いを憶えるかどうか程度の違いしか無いからと任せて行ったと言う所なんでしょうけど…。
親友を殺め、それでも師団長として呆けている訳にはいかないカティアの思いが辛い…。
そして最大の衝撃、賢者の塔のまさかの自決システム。賢者やその研究、強大な魔法使いたちが黒に染まって更なる悲劇を撒き散らしたり、人々が恐怖や絶望を感じるより先に、一瞬で何の理解も無い内に速やかな死をと言う実に恐ろしい魔法が仕掛けられていたとは…。
でもメルティの最期「次の僕はもっと強いぞ」と言う棄て台詞は何だか安心感ありました…。
・湖都
ラヒームおじいちゃんに敬礼…。ムスタファも迷わず娘の元に在る事を選ぶ辺り、決する未来が見えてるんだろうなと…。マディーナの明るさだけが通常営業。
抗い、戦って果てる女王の姿と、腕を持っていかれ瀕死ながらも共にそれに殉じようとするカリファや砂漠の民たち。
登場は無かったけど、歌と舞踊組も最期まで皆を鼓舞し続け勇気を与え続けたのだと思います。
・九領
なんかもう予想通り。筆頭は黒の因子に染まり、ヨシツグと楽しく相討ち。個人的にはおちゃらけキャラだった筈のイブキが斬られ斃れたのがしんどかったです…。
幼いアマツの、「なんであいつら戦ってるんだろう」と言う疑問が凄い刺さる…。鬼は鬼として世界の終わる時まで変わらないんだなあと言うか。
そんな戦模様に関わらず、今日の飯の話とかしている辺りが超リアルです…。鎖国中の領地に住む半端者の孤児たちには、鬼の大いくさも、世界の終焉も全く関係無いんだなあって…。
・精霊島
千河がラファーガしか出なかったのが不満…。あの戦闘種族の事ですし、最期まで笑いながら、軽口を叩き合いながら戦ったのだと思いますが…。
ユグドはこの大陸の最期と世界の終わりとを見つめる担当。
避難して来た幼い者らをあやすパロマやポテンシアの歌やおとぎ話の中、炎上する世界樹。
・大海
黒の軍勢よりも海そのものが彼らを飲み込んだのでしょう。後のケ者や年代記でも海が酷い事になっているとは語られていましたので、もう世界の環境が全て敵の様な、正に世界の終わり状態なんだろうと。
・ケ者
絶望するガジジナが、ああそう言えばこの長ヘタレだったんだ…と思い出させてくれて良い感じ。彼女を最期まで護ろうとするギザザヤが男前過ぎるんです…。
カミの力の援護さえあれば、と最期まで戦い続ける脳筋種族。キララネは一足先に斃れたのだろうと言う描写や、トリリカの暢気とも取れる癒し描写とか、地味にざくざく来ます…。
・罪
ある意味一番終焉らしかった…。ほんとローゼマリーは一般ピープル代表と言っても良い、弱い人間の目線に居る分、ダイレクトに読んでるプレイヤーを刺しに来てると思う…。
恐らく、レオンとゾーイやヴァリーは非戦闘員のリーアとローゼマリーを逃がす役割を負って、最期には一矢報いる様な行動を取ったのでしょう。
いつも騒がしい監獄が静かになり、穏やかな風や波の音を聞きながら(まだ海が荒れる前の筈)話す二人。
逃げるも死ぬも出来ないから、後はただ待つだけしかないと、終焉の日にしては酷く穏やか。
・薄命
…ある意味本編より救われてる気がするよエル…。
アルの傍で共に互いの存在に感謝し合いながら終焉を迎える二人。元々薄命は短い人生に諦めや折り合いをつけている子らだから、迫る滅びにも余り動じなかった気がしないでもない。
・鉄煙
naketa…。描かれなかったストーリー部分を想像したらうわあああ…(語彙消滅)。
エーリヒに腕を託して斃れ往くランドルフ、民を護ろうと最期まで抵抗するオリヴィアたちもうわあああ…。
ハンネスがエーリヒ一人をして、ちゃんと「二人」って言い続けてるのがしんどいどころの騒ぎじゃない…。
わたくしだけでは迷子になって仕舞いますから、と言うジークルーンも…。
何だろうな、石田さん繋がりじゃないけど、gntmでヅラの人も言ってたましたが、最期まで心許せる者の傍で共に戦いたい、共に死にたい、と言うのをここまでの皆が自然と体現してるんですよね…。
・年代記
黒の勢力が強すぎて戻って来れないセレン。
多分にライターさんが、リヴェラが斃れるシーンは書きたくなかったのだと思うんですが、その所為で死ぬ死ぬ詐欺みたいな感じと言うか、この人ら世界の終焉を迎えてもぴんぴんしてそうだなあ…と連続した緊張感を削がれました…。
・聖王国
今回一番の衝撃…ではなく、一番弱い所に来たやつ…。
剣聖に任じられたアインスロットが、聖王の血脈であり主君であるユリアナをその手にかける様、彼女自身に命を受けると言う衝撃の展開です…。
黒の軍勢に滅ぼされる訳では無く自ら決すると言う、一見無駄な、然し常に滅びに向かってループする世界への余りにささやかな抵抗。
共に往く事を望んだルイーゼは、アインスロットを苦悩させるだけだからと、きっと己の想いを飲み込んだのでしょう。(ルイーゼ自身がアインスロットへの想いをはっきりと認識していたと言う描写はひょっとして初めてなのでは…)
ここまでで既にもう、自決展開やめて…胃が痛い…と言う所なんですが、更にとどめを刺しに来たのが、最後の役目を終えた後のアインスロットとテレサの遣り取り。
正直テレサは全然好きになれんキャラでしたが、リリスを殺めた事については流石に衝撃。
リリスの優しさに甘えたとテレサは言っているので、多分にリリスも解っていて殺されたのだと思うんですが、あれだけ日頃からリリスへの愛情表現の尽きないテレサが、「黒の軍勢にくれてやる訳にはいかない」と彼女の命を自ら奪うとは…。(恐怖や苦痛を与えたくなかったのだと思うんだけど)
ともあれテレサもアインスロットも、最早愛する者を喪った世界で、後は自分が死んで決するその時までひたすら黒の軍勢を斬って斬って斬りまくって征こうと、破滅的で全く楽になるには程遠い途を選びます。
・義勇軍
フィーナはあの後皆を逃がす為の盾となって斃れ、それがユーリの最期の絶望となります。
カイン、ミシディア、マリナがどうなったのかは語られないのでそこはちょっとすっきりしないです…。逃がされた副都付近で討ち死にとかそう言う感じなのかも知れませんが、彼らの死すら見届けない侭にユーリは絶望して仕舞ったのか、義勇軍はあっさりバラバラになって仕舞ったのか、と。
ともあれ黒の王を滅ぼした黒騎士ユーリは、その周回時のクロニクルを手にループを越えて、『次』のユーリの前へと立ち塞がる訳です。
ユーリは黒の根源にとっても、取るに足らない筈がループの度に立ちはだかる因果の存在の筈。そんな彼だからこそ黒に堕ちた事で、今後のループの滅びをより強固にすると判断されたんでしょうかね…?
それにしても、黒騎士の新しい絵と今までの絵の落差がありすぎなのがなんともアレだとずっと思ってる…。
・エピローグ
義勇軍は困っている人の味方だ。
・まとめ
死を、終わりを彼らはどう迎えるのか、と言う事に尽きる物語。
ある者は仲間と共に死地へ赴き、ある者らは自決し『次』に託し、ある者は親しき者と共に在り、ある者はただ穏やかに最期を迎え、ある者は戦いに果てた。
そんな彼らの勝利の「先」が今もなお紡がれる物語。こうして幾度も果てて来た彼らの、世界の、新たな可能性たち。
そう思うと今の三部の、「滅びるのが正しいんだから今からでも滅んで貰うわ」と言う敵が、なんて言うか酷い外道で邪魔者で錯誤者でと、ものっそいヘイト溜まりますね。
一つ(?)残念だと心底思えたのは、「次」に繋がる要素が、折角三部にも関わっている事なのに、一切描写無しで終わって仕舞っている点。
聖人シュレーミアがはじまりのクロニクルの管理者であるトロメアを導く所とか、三部で絶賛ヘイト溜めてる狂った聖人たちが使命をこなしている所とか、多少は描写しても良かったと思うんですけどねえ…?
まあ黒騎士ユーリの物語なので関係ないっちゃあ無い要素ではありますが…。
*
戦闘がほんとゴリ押し良い所の難易度なのが難点ですが、復活実むさぼり食っても読むと良いよ…。
親愛度目的もあってガチPTマイナス2ぐらいの面子でプレイしていたんですが、メルティオールとコットン&デルフィーナが強いのと癒しなのとで大分救いになってました…。